(朝日新聞2006年12月6日)
 日本の法律が定める成人年齢が20歳から18歳になるかもしれない。国民投票法案を巡って、自民党が投票年齢を民主党案の18歳以上に修正するのに合わせ、選挙権年齢を同様に引き下げる検討作業に6日着手する。20歳を成年とする民法や、20歳で少年と成人とを区切る少年法、飲酒や喫煙を規制する法律まで検討対象は広がる。決着がどうなるかは別にして、社会のありようを問い直す論議に発展しそうだ。
 自民党は6日の特命委員会で、衆院憲法調査特別委員会の理事を中心に進めた民主党との修正協議の内容を報告、党内手続きを始める。
 憲法改正の手続きを定める国民投票法案の修正案は、投票年齢について与党案の本則を「年齢満二十年以上」から「年齢満十八年以上」に変更。付則で「3年を目途に公職選挙法、民法等の関連法令について所要の措置を講ずる」とする。仮に法案が成立しても、公布後3年程度は国民投票の投票年齢を「20歳以上」に据え置き、それまでに公選法などの改正を促す考えとなっている。
 与党案をまとめるにあたり、自民党は公明党と国民投票の投票年齢を選挙権年齢に合わせることを確認していた。このため、国民投票の年齢引き下げに合わせ、選挙権年齢そのものの引き下げが必要となった。自民党内には異論もあるが、この論議で同法案への関心を高めてもらおうとの狙いもある。
 同時に同法案の関係議員は、修正案で年齢引き下げ実施までに3年とした期限内に選挙権年齢などについても論議をまとめ、公選法や民法などの関連法を改正することをめざす。
 だが、自民党内では「野党に有利だ」とみる声や、多くの法律の改正作業が煩雑になることなどから反対論もある。衆院特別委でも、保岡興治元法相が「現在、成人年齢に関する法令は24~25あると言われており、引き下げは日本の基礎を大きく左右するテーマだ」と指摘している。
 修正案取りまとめの中心となった同特別委の船田元自民党理事でさえ「成人年齢を定めた民法などその他の法律にどのような影響をもたらすかを真摯(しんし)に検討する必要がある」と指摘。参院自民党の片山虎之助幹事長も「他の法制とのバランスの議論がある」とクギを刺す。
 「18歳選挙権」をめぐっては、民主、共産、社民など野党各党のほか、公明党もマニフェストなどに掲げて実現を訴えている。世界各国でも、国立国会図書館にデータのある186カ国・地域のうち、米国やイギリス、フランス、インドなど162カ国で選挙権は「18歳以上」となっている。

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