代表理事の高橋亮平のインタビューが論点として取り上げられました。

論点 2016参院選 18歳選挙権 導入の先は
(毎日新聞 2016年6月29日)

「声を反映」すぐ次の一手を 高橋亮平・NPO法人「Rights」代表理事

http://mainichi.jp/articles/20160629/ddm/004/070/032000c

 私たち「Rights」は18歳選挙権導入を目指して2000年から活動を続けてきたが、今回の参院選で18歳選挙権が実現したからといって、投票率がいきなり上がることはないだろう。高齢者の投票率が高く、若くなるほど投票率が下がる現状は、今回の制度改正だけで変わるものではない。選挙結果への影響も、ほとんどないと考える。
だが導入が無意味だとは思わない。私たちが18歳選挙権の導入を目指したのは、投票の「数」ではなく「質」を高めたいからだ。世代間格差を是正し、持続可能な社会作りに向けて政策を転換させるには、若者の声を政策に反映させる必要がある。18歳選挙権はそれを実現するための手段であり、決して目的ではない。
その意味で、18歳選挙権を実現する改正公職選挙法が、国会の全会一致で成立した意味は大きい。投票に参加した全ての国会議員が「若者の声を聞き、政策に反映させなければいけない」という意思を示したことになるからだ。
政党の変化は始まっている。例えば、Rightsでは選挙権と同時に「被選挙権年齢の引き下げ」を訴え、法案骨子も策定した。今までは政党や政治家にはほとんど関心を持ってもらえなかったが、最近になって主要政党が、与野党問わずこぞって参院選公約に載せた。制度の改正が、政党や政治家の意識を変えた一例だ。若者の声が政策に反映される可能性は、相当高まったと思う。
若者自身の政治意識を高める効果も持つのではないか。オーストリアでは07年、国政選挙の選挙権年齢を18歳から16歳に引き下げたが、選挙権を得る前の16~17歳と、選挙権を得た後の同年齢の層の政治意識を比較したところ、選挙権を得た後に政治意識が高まる傾向があったという。
逆に、あまり変わらなかったのは政治教育だ。文部科学省と総務省は昨秋、主権者教育のため副教材を作成したが、全体的には想像以上に動きが鈍かった。「選挙権」の名称が良くないのかもしれないが、若年投票率の行方に焦点が当たるなかで「若者を投票に行かせる」教育に終始している。
政治教育とは、単に投票の練習や模擬選挙を行うことではない。より重要なのは、政治リテラシーを育てることだ。例えば、争点のある問題について議論する。政治家の話を直接聞くなどして「生の政治」に触れる。さらに、生徒会活動など校内の自治を体験し、政治とは人ごとではなく、身近な「自分ごと」だと実感することだ。自治を行うことで自分たちの生活が少し良くなる、と感じることこそが、政治教育だと考える。
現在は「18歳選挙権バブル」のような状況だが、これは間違いなく今回の選挙で終わる。注目されるのも、7月10日の参院選の投開票日までかもしれない。関心が冷めないうちに、二の矢、三の矢を放つ必要がある。18歳選挙権の導入に加え、選挙以外の方法で若者の声を政策に反映させる方法を、らに模索すべきだ。政治教育に加え、若者が政治の現場に直接参加できる仕組みを整備したい。【聞き手・尾中香尚里】

たかはし・りょうへい
1976年生まれ。明治大理工学部卒。千葉県市川市議、同県松戸市政策担当官・審議監などを歴任。中央大学特任准教授。著書に「18歳が政治を変える!」など。

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NPO法人Rightsは、「未来を長く生きる若者は未来の決定により大きな責任を」との思いから、選挙権・被選挙権年齢の引き下げと政治教育の充実を2つの柱に、2000年から若者の政治参加をめざし活動してきました。

現在は、政治教育や若者政策の提言、政治家への働きかけに加え、自治体における若者参画プログラムの拡充、学生・若者団体への支援・助言などの活動を行っています。