代表理事の高橋亮平のインタビューが論点スペシャルで取り上げられました。

初の10代投票率こう見る(読売新聞 2016年7月13日)

欧州 若い方が高い傾向

NPO法人代表理事 高橋亮平

選挙権年齢の10歳代への引き下げを進めてきた欧州各国では、20歳以上では年齢が低いほど投票率が低いが、逆に10歳代は年齢が低いほど投票率が高くなる。こうした傾向が日本でも現れたのではないだろうか。
欧州の場合、この傾向には親との同居率の高さや学校教育が影響しているという研究結果もある。あやが投票をしたり家庭でニュースを話題にしたり、高校が投票を進めたりするといった様々な「働きかけ」が年齢が低いほど多くあり、投票につながるという指摘だ。
オーストリアでは2007年、18歳から16歳に国政選の選挙権年齢を引き下げた。これにより、16、17歳の政治への関心は、選挙権がなかった時より、かなり高くなったというデータもある。新聞を読む割合も高くなる傾向もあったという。
日本の場合、「18歳選挙権」がメディアで繰り返し取り上げられ、「日本初」のイベントに加わりたいと思った10歳代も多かっただろう。
代表を務める特定非営利活動(NPO)法人「Rights(ライツ)」では、2000年から選挙権年齢の引き下げを訴え活動を続けてきた。世代間格差を是正し、若者の声を政策に反映させる必要があるからだ。投票率の向上だけでなく民主主義の「質」を高めることを目的にしている。
欧州各国の取り組みを視察してきたが、共通しているのは、若者たち自身の行動が社会に実際に影響するという「成功体験」を重視していることだ。
例えば、スウェーデンでは、小学校の遊具を選ぶ際、子どもたちが話し合い、実際に予算をつけて購入する自分たちの考えが現実の結果につながるという経験を年齢や成長過程に応じて積ませることで、投票も自分たちの考えを反映させる有効な手段と捉えるようになる。学校の中でもデモクラシー(民主主義)の考え方が貫かれている。
ドイツでも、自治体が公園を整備する際に子どもの意見を取り入れてる。「16歳選挙権」を導入した州もあり、そこでは高校の生徒会連合が政治イベントを開いていた。各政党青年部がブースを出し、若者たちが政治的なテーマを活発に議論していた。
今回の参院選では、これまで各政党があまり関心を払ってこなかった「被選挙権年齢の引き下げ」を公約にする党が複数あるなど、政治の側の変化も起きた。18歳選挙権の盛り上がりが「バブル」で終わってはならない。流れを止めないため、政治教育を充実させ、若者がもっと「生の政治」に参加できる仕組みをつくっていきたい。

たかはし・りょうへい
千葉県市川市議、同県松戸市審議監などを経て、中央大学特任准教授。海外の選挙事情に詳しい。共著に「18歳が政治を変える!」。40歳。