5月9日(水)に代々木の国立青少年センターで第5回Rightsフォーラムが行なわれました。今回は第1回Rightsフォーラムにお越しいただいた、朝日新聞論説委員の伊中義明さんをお呼びして「若者の政治参加が未来を変える!!」というテーマの下、Rightsの原点である選挙権年齢引き下げと若者の政治参加についての講演とディスカッションを行ないました。
 現在の選挙権年齢は18歳というのが世界の潮流で、その数、実に140ヶ国以上です。選挙権年齢が20歳という国は日本や韓国等といった少数派です。ただ世界各国が昔から18歳選挙権なのかというとそうではなく、1960年代以降に引き下げられていきました。その理由は主に2点あります。ひとつは学生運動です。欧州などでは活発な学生運動を展開していた世代を政治に取り込んでしまおうという意図で、選挙権年齢が引き下げられました。もうひとつは、徴兵制です。徴兵年齢は18歳ですがその世代には選挙権がありませんでした。その為、選挙権のない世代、つまり政治に対して何の意思表明も出来ない世代を戦争にかり出して良いのかという議論が巻き起こりました。その結果、選挙権年齢が引き下げられたのです。
 では何故、日本で選挙権年齢の引き下げが必要なのでしょうか。まず、平均寿命が延びている事が挙げられます。寿命が延びるという事は選挙権年齢の上昇を意味します。政治家は自分に票を入れてくれる人の為に政策をつくる傾向にありますので、高齢者世代の有権者が増加すると、高齢者の政治的影響力が増大する事になります。今の日本は高齢者世代になるほど投票率が上昇するという状況も、それに拍車をかけています。高齢者世代の政治的影響力が増えすぎると様々なところで世代間の不均衡が出てきます。例えば今の日本経済は政府による多額の財政出動により支えられているため、将来的に生活水準が低下するという懸念があります。また年金も今の賦課方式では、若者が減り、高齢者が増加するにつれて1人当たりの負担が増えていきます。
 このように今の日本には、世代間の負担を調和するシステム作りを急ぐ必要があります。しかし、若年世代の政治的影響力が少ない現状では、若者の意 見が反映されない制度が作られてしまう恐れがあります。
 そこで考えられるのが18歳選挙権なのです。選挙権年齢を18歳に下げると有権者が約300万人ふえます。300万人というのは絶対数としては少ないかもしれませんが、若者が意見を言えない事は不公平ではないでしょうか。また、20歳で選挙権を与えると高校卒業から2年間のブランクがあるため、その間に政治に対する関心が低くなってしまいますが、18歳選挙権では、高校3年生でも選挙に行けるようになり、学校教育にも影響を与えます。同時に被選挙権も18歳に下げるべきです。18歳で被選挙権を得るということは、大学生でも選挙に立てるので、政治を身近に感じられるようになり、若い世代への影響は大きいものになるでしょう。
 それと共に政治教育を充実させる必要もあります。日本の政治教育は政治システムには触れるが、実際の政党や政策に触れる事はタブー視されています。それは政治に関心を持ち自分なりの判断を下せるような教育にしていく必要があります。
 今回のフォーラムは、多くの初参加者を含め約40人の方に参加していただけました。結成して1年というこの時期に、Rightsの根本理念である「選挙権年齢の引き下げと若者の政治参加」がテーマのフォーラムにこれだけの方が参加していただけた事は、Rightsの活動が確実に浸透してきている証左ではないでしょうか。このフォーラムをRightsがより一層エンパワメントするきっかけにしなければなりません。

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NPO法人Rightsは、「未来を長く生きる若者は未来の決定により大きな責任を」との思いから、選挙権・被選挙権年齢の引き下げと政治教育の充実を2つの柱に、2000年から若者の政治参加をめざし活動してきました。

現在は、政治教育や若者政策の提言、政治家への働きかけに加え、自治体における若者参画プログラムの拡充、学生・若者団体への支援・助言などの活動を行っています。