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 11月15日(水)に代々木の国立青少年センターで、Rights主催による、国会議員シンポジウム「若者の政治参加をめざして-選挙権年齢引き下げを考える-」というイベントが開催されました。主要6政党から下村博文さん(自民)、枝野幸男さん(民主)、高木陽介さん(公明)、春名直章さん(共産)、保坂展人さん(社民)、武山百合子さん(自由)の6人の国会議員が集い、Rightsが目的として掲げる若者の政治参加や選挙権年齢の引き下げについて、活発な議論が交わされました。
 このシンポジウムは、企画から当日の運営まで、すべてRightsのスタッフが手掛けました。私たち1人1人の願いが今を変える大きな動きになっていくことを信じて。シンポジウムには多数の聴衆のご参加もいただき、私たちの願いが少しずつ何かを呼び寄せつつあると感じました。そのシンポジウムの様子を皆さんに報告したいと思います。
「皆さん、楽しんでください」
 「皆さん、楽しんでください」。11月15日午後4時半、Rights代表の大友新君は、最終打ち合わせでスタッフが集まった部屋で、みんなにそう言葉をかけました。スタッフは総勢30名以上。それぞれが大学も学年も専門もバラバラですが、若者の政治参加へ向けての情熱だけは誰にも負けないという人々がそろっています。大友君の挨拶が終わると、スタッフは5つの役割(受付、記録、パネリスト接待、設営・場内整理、場外誘導)に分かれて、それぞれに担当の仕事を開始しました。その光景はバンドや演劇の設営準備にも近いですが、スタッフには、今までにない新しい主旨のイベントを開催するという創造の喜びもあります。パネリストの国会議員が次々と会場に到着しているとの連絡も入り、スタッフの志気もあがりました。
会場はほぼ満席
 午後6時から、会場で受付が開始されました。天気はあいにくの雨でしたが、受付開始から開会までとまることなくお客さんが入り、150人を超えるお客さんが入りました。Rightsのイベントへの2回目の参加になる大学生は、「民主主義の向上のためには、ハード面とソフト面が必要だと思います。ハード面は選挙制度の改正で、ソフト面は学校教育の改革。今回の企画を通じて少しずつその考えが世の中に広まっていくことに期待しています」と語っていました。
 また今回が初めてという大学生は「個人的には、選挙権年齢の引き下げは、政治的無関心を改善する政策ではないように思います。きちんと判断できずに変な議員が当選する可能性もあるし。でも、その若者の政治的無関心を何とかしていけるものがあるのかどうか、聞いてみたいと思っています」と話してくれました。
 多様な意見を持つ人々が、共通の関心のもとに集ってくる。その関心の高さと、そういう「場」が創造されたことの意味がひしひしと伝わってくる。会場には、その雰囲気がありました。
シンポジウム開始
 午後6時30分、シンポジウムが始まりました。パネリストの議員が次々に入場し、大友君がRightsの活動内容を紹介。その後、Rights副代表の高橋亮平君のコーディネートのもと、討論が開始されました。以下に討論の一部を掲載しましたので、ぜひ白熱した討論に触れてみてください。
高橋 選挙権、被選挙権年齢の引き下げについての賛否と、その理由をお聞かせください。また、民法や少年法の改正もふまえた考えについても、お願いします。
春名(共産) 私は、選挙権年齢の引き下げは実現すべきであると思います。世界の趨勢でもありますし、日本はこれほど遅れていていいのだろうか、と思っています。日本社会には青年をどう位置づけるかという問題がありますが、私は18歳を社会を構成する成人として位置づけていいと思います。被選挙権については、国によって様々であり、現在研究中です。
保坂(社民) 賛成です。あえて言いたいこととして、戦いとるのが権利です。もぎとってやろうという熱い声が必要です。少年法を引き下げるから選挙権というのは、おかしな議論です。被選挙権は、20歳以上でやってみたらどうかと思っています。
下村(自民) 選挙権も被選挙権も18歳以上にするべきだと思います。数字にはそれほど根拠がないわけですから、若い人たちが広範な議論をして、その中で決めていくべきことだと思います。
枝野(民主) 15歳で選挙権、が理論的にはあっていると思います。ただし、国民の心理的反発もあるため18歳が妥当です。しかし、そのことを国会で審議してもらえないのが、今の与党のやり方です。全部そろえて、関連法もあわせて改正した方がわかりやすいし、選挙権も被選挙権も同年齢で与えるべきだと思います。
高木(公明) 明治時代には、民法では20歳で成人とするとされていましたが、天皇だけは18歳で成人になるとなっていました。何をもって一人前とするのか、ひじょうに曖昧です。何をもって権利とするべきなのかという議論を煮詰めるべきです。若い世代も勤労や納税などの社会的責務を果たしているわけですから、選挙権も被選挙権も同年齢で与えるべきだと思います。
武山(自由) 民法とセットで18歳というのが、自由党の政策です。
高橋 それでは選挙権年齢引き下げの実現には何が必要となってくるのでしょうか。それぞれお答えください。
保坂 青少年問題について、若者を国会に呼んでやろうとしたことがあるのですが、官僚が反対しています。国会に若者を呼ばなきゃ始まりません。古い人たちが跋扈している国会を揺さぶってほしい。今まで落選運動などの活動が盛り上がりを見せたことがありました。インターネットなどで知恵と力のある運動を展開してほしいと思います。
下村 引き下げに反対の人が多い世論調査結果があります。30年前に、中曽根さんが奇しくもここの場所で、「18歳にすべき」と発言したことがあります。現在は党内論議がされるべき状況ではありませんが、運動・マスコミなどを通じて、世論として当然でてくると思います。
枝野 インターネットは影響力が強いので、広めていくことは充分可能だと思います。これはおかしいと思ったときは、実は政治家も敏感に感じるものです。一度行動が起きたら、わっと火がつく時もあるといえます。
高木 権利について、自分たちがほしいのかどうか、問い直してほしい。歴史の中で、多くの国民は、権利はお上からもらったものと思っています。そういう流れを変えていかなくてはならないと思います。ただ、その動きの中で気をつけなくてはならないのは、インターネットや落選運動などの点を考えても、事実と真実はイコールではないということです。必ず主観が入ります。1人1人の中で情報をとらえて判断していくべきです。
春名 社会全体の中での18歳以上の位置づけが問われることになると思います。実現のためには、この問題では各政党横並びも可ですので、熱いエールを送ってほしいと思います。以前、自治省の役人に、選挙権の引き下げは世界の趨勢と話したところ、世論が盛り上がっていないから、という答えが返ってきたことがあります。その意見にも一理あります。みんなで世論を盛り上げていくべきだと思います。
今回のシンポジウムを振り返って
 今回のシンポジウムを振り返って、評価すべき点として、Rightsの活動が具体的な成果となって現れ始めたこと(主要各政党の出席)、私達とまだまだ距離が遠い政治家と直接意見の交換ができる場が用意されたこと、各政党の政治家の意見が18歳への引き下げに前向きであることが確認できたこと、などが挙げられると思います。今後検討するべき点としては、討論が時間的制約と共に、マクロ的・理念的な内容となってしまい具体的な18歳引き下げへの政策実現のプロセスについての議論が充分ではなかったこと、18歳引き下げの政策の重要性が他の政策との比較の点で各政党において重視されていないこと、必ずしも18歳への引き下げが若者も含めた多数の人々の要望となっていないこと、などがあります。
 それらの問題を克服するために、Rights側からの政策実現へ向けての具体的なプロセスの提案と、それを国民・政党に広報していくこと、経済政策の重要性と若者の政治参加の重要性をリンクさせて政党側に説明していくこと、若者の意思集約のために多方面での企画を用意し「18歳引き下げは若者の意志」という幅広い合意をかたちづくっていく必要があると思います。

この記事の投稿者

Rights 編集部
Rights 編集部NPO法人
NPO法人Rightsは、「未来を長く生きる若者は未来の決定により大きな責任を」との思いから、選挙権・被選挙権年齢の引き下げと政治教育の充実を2つの柱に、2000年から若者の政治参加をめざし活動してきました。
現在は、政治教育や若者政策の提言、政治家への働きかけに加え、自治体における若者参画プログラムの拡充、学生・若者団体への支援・助言などの活動を行っています。