菅源太郎代表理事の「18歳選挙権 若者参画のため実現急げ」が朝日新聞6月10日朝刊の「私の視点」に掲載されました。
18歳選挙権 若者参画のため実現急げ
 東日本大震災からの復旧・復興や原発事故の収束に加え、税・社会保障改革、エネルギー政策など日本の将来を左右する大きな課題が我々の前に山積している。しかしながら、その影響を最も大きく受ける若者の意見が反映される兆しはない。私は、これらの課題を解決する大前提として、18歳選挙権の実現を求めたい。
 国民投票法(日本国憲法の改正手続に関する法律)が昨年5月の施行から1年を迎えた。法律の附則では、18歳選挙権を実現するために「必要な法制上の措置を講ずる」よう求めており、施行から1年間違法状態がつづいている。
 18歳選挙権は世界の潮流である。世界の9割近い国、G8では日本以外の国すべてが18歳に選挙権を保障しているが、日本では20代の低投票率などを背景に、戦後65年間、選挙権年齢は20歳から引き下げられていない。
 10年間のロビー活動で、父・菅直人をはじめ多くの政治家から「世論が熟していない」指摘されてきた近年、議員インターンシップ、未成年模擬選挙など、若者と政治をつなぐ活動が注目され、20代の衆院選投票率も、過去最低だった2003年と比べて09年は14ポイント上昇するなど、若者の意識が変化している。
 国も動きつつある。国民投票法成立を受けて、法制審議会は09年、「成年年齢を18歳に引き下げることが適当」と答申し、同時に法教育・消費者教育・金融経済教育などの充実を求めた。昨年決定した子ども・若者ビジョンは、子ども・若者の社会形成・社会参加支援としてシティズンシップ教育の推進と意見表明機会の確保を明記した。ようやく国の政策に位置づけられた若者参画を、理念から政策として具体化する第一歩として、18歳選挙権の実現はふさわしい。
 なぜなら、選挙権年齢の引き下げは、日本の公民教育・特別活動をより実践的なものとする契機となるからである。従来の教育は制度の説明に終始してきたが、模擬選挙やディベートなどの導入によって、より効果的な教育に転換できる。また、生徒会活動が民主主義の実践の場として重要になる。
 財政、社会保障、環境などの将来不安が広がるなか、18歳選挙権は世代間で公平かつ持続可能な社会システムへの転換につながる。これは与野党を超えた喫緊の課題である。少子高齢化による若者の政治的影響力の低下は、持続可能な社会システムへの転換を困難にする。
 次期国政選挙までに18歳選挙権を実現し、若者がこの国の将来について意思表示する機会を準備すべきだ。それが若者を社会の構成員として力づけ、民主主義の強化にも寄与することになるだろう。
菅 源太郎
特定非営利活動法人Rights代表理事

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NPO法人Rightsは、「未来を長く生きる若者は未来の決定により大きな責任を」との思いから、選挙権・被選挙権年齢の引き下げと政治教育の充実を2つの柱に、2000年から若者の政治参加をめざし活動してきました。


現在は、政治教育や若者政策の提言、政治家への働きかけに加え、自治体における若者参画プログラムの拡充、学生・若者団体への支援・助言などの活動を行っています。