18歳選挙権が適用される7月の東京都議選

今年の東京都議会議員選挙は6月23日告示・7月2日投開票です。各社の報道によると、自由民主党や公明党、民進党、共産党といった国政政党から、小池百合子東京都知事が実質的に率いる地域政党「都民ファーストの会」まで、激戦が予想されています。
ところで、この都議選で注目されるのは政党や候補者だけではありません。それは、これまでの都議選では投票できなかった「新たな有権者」すなわち10代の存在です。
2015年6月の公職選挙法改正によって、都議選としては初めて満18歳以上が投票に参加できることになったからです。
都議選は首都東京の今後のみならず、国政にも影響する重要な地方選挙です。

・10代の「新たな有権者」は、どうやって都議選に向き合えばいいのか。
・都議選に向けて、学校現場ではどのような主権者教育を行えばいいのか。

都内の国立・公立・私立の高校の先生方や生徒の皆さんを主な対象に、これからシリーズとして、私が考えた主権者教育の取り組み方をご提案していきます。
もちろん、都議選のみならず、どの地方選挙・国政選挙においても取り組むことができる、汎用性の高いプログラムですので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

「マイ争点」で自分の関心がある政策を考えよう!

今回ご提案するのは「マイ争点」というプログラムです。
これは、2016年7月の参院選を前に、かつてシチズンシップ教育アドバイザーを務めていた神奈川県立湘南台高校での授業実践を参考にして作成した主権者教育です。
実際に、静岡県立韮山高校(伊豆の国市)にて全校生徒850名に実施してみたところ、新聞にも取り上げられるなど大きな反響がありました。
(記事:朝日新聞2016年7月7日付静岡版朝刊/冒頭の写真も引用)

主権者教育プログラム「マイ争点」は、自分の関心のある政策テーマを選び、その政策テーマの「具体化・理由・問題点・解決策」を考えていくものです。
選挙のたびに、「報道を見ても、争点が(多くて・少なくて)よく分からない」という声を聞きますが、それなら自分が大切にするポイント(=マイ争点)を考えてみればいいのでは?-という逆転の発想からきています。
授業に際しては、オリジナルのワークシートを作成し、書き込むことができるようにしています。
ワークシート作りにあたっては、参院選で各党の政策を分かりやすくまとめていた「政治山」の「重点政策・公約比較表」を参考にさせていただきました。

スマホを使い議論しながら「熟慮する」主権者教育を

この「マイ争点」の授業をする際に大切にしたいのは「熟慮するプロセス」です。
新聞記事の中でも紹介されていますが、私は生徒の皆さんにこう呼びかけます。

「例えば、経済財政って何を指しているんでしょうか?あるいは、TPPって何か分かりますか?分からない人は、スマートフォンやタブレットなどを使って調べてみながら書いて下さい」

もちろん、携帯端末の持込や使用を禁止している学校もあるかも知れませんが、実際の投票において、情報を収集するためにインターネットは重要なツールです。
インターネットに溢れている情報の中で、有権者としてどれを信頼(取捨選択)すればいいのか。
いわゆる「選挙ネットリテラシー」を身に付けるためにも、こうして主権者教育と連動していくことも大事な試みではないでしょうか。
ネットで調べると同時に、生徒の皆さんには「周りの友達と話しながら書いても構いません。途中でもどんどん話してみて下さい」とも言います。
このワークシートは(2)の方が難しく、途中で一人だけでは書けなくなる生徒も少なくありません。
でも、それこそ主権者教育の醍醐味です。
そもそも正解がない社会問題、政策テーマをどう考えていくのか。自分の頭の中で深めることも大切ですが、その過程で周りの人たちと議論することも欠かせません。
熟慮する中で、周りと話して自分の意見が変わったり、新たな見方や考え方に気がつくことも、主権者教育の大切な要素だからです。
静岡県立韮山高校では、スマートフォン等を使いながら、また友達と議論しながら、全校生徒が「マイ争点」に熱心に取り組んでいただきました。(記事参照)
この「マイ争点」は都議選でもカスタマイズして実施することができます。
例えば、(1)の政策項目を考える段階だけでも、十分に主権者教育として有効ではないでしょうか。
「マイ争点@都議選」にご関心のある先生や生徒の皆さんは、いつでもご協力しますので、是非ご相談いただければと思います。

※この記事は副代表理事である西野のブログ記事より転載させていただきました。

この記事の投稿者

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NPO法人Rightsは、「未来を長く生きる若者は未来の決定により大きな責任を」との思いから、選挙権・被選挙権年齢の引き下げと政治教育の充実を2つの柱に、2000年から若者の政治参加をめざし活動してきました。


現在は、政治教育や若者政策の提言、政治家への働きかけに加え、自治体における若者参画プログラムの拡充、学生・若者団体への支援・助言などの活動を行っています。