成人は18歳?20歳?民法改正議論スタート
(朝日新聞2008年2月13日)
 成人年齢を18歳に引き下げるのか、それとも20歳のままにするのか――。鳩山法相は13日、法相の諮問機関・法制審議会に成人年齢の引き下げの是非について諮問した。憲法改正の手続きを定める国民投票法(昨年5月成立)で投票年齢が18歳以上とされたのに伴うもの。社会での「一人前」の基準を決める根本的な問題だけに賛否は分かれており、どのような結果が導かれるかは不透明だ。法務省は諮問と並行して、世論調査などで広く国民の意見を聴くことも検討している。
 法制審はこれから賛成・反対の均衡に配慮しながら、学者に限らず、高校教師や企業経営者など20人前後を部会の委員に選ぶ予定。
 法制審は3月にも議論を始め、1年がかりで答申をまとめる予定だという。引き下げの方向になっても、法務省が民法の改正案を国会に提出するのは09年秋以降になる見通しだ。
 今回の諮問は一定の方向性を示さず、異例の「白紙」で行われたのが特徴。18歳以上を投票年齢に定めた国民投票法の付則は、2010年の施行時までに民法の成人年齢について「検討し、必要な法制上の措置を講ずる」と定める。成人年齢を18歳に引き下げるか、20歳のままにするか、それぞれの立場で解釈できる余地も残されている。
 国民投票法は、与党が民主党など野党の反対を押し切って採決。この過程で「玉虫色」の付則が付けられた経緯がある。付則については、同じ与党の中でも「民法の成人年齢も一緒に引き下げるのが前提」という主張があるのに対し、「過度な自由が与えられ、伝統的な家族観が壊れかねない」などと引き下げに慎重な声も少なくない。一方の民主党は、成人年齢の18歳引き下げが国民投票をめぐる与党との再協議の前提だとの立場で、曲折が予想される。
 成人年齢の引き下げが実現すれば、日常生活に幅広く影響を及ぼす。
 例えば、未成年には親の許可のない契約なら取り消せるという「保護」がある。国民生活センターに寄せられた、未成年が行った取引の解約に関する相談は06年で3万7858件。成人年齢が引き下げられれば、18歳と19歳はこれまでの保護を受けられなくなる。
 現在の民法では、親の許可があれば結婚できる最低年齢は「男性18歳、女性16歳」。成人年齢が引き下げられれば、女性だけに「結婚に親の許可が必要な時期」が残る。
 また、政府の検討会によると少年の保護処分を定めた少年法、飲酒・喫煙を禁じる法律など年齢条項がある法令は308もある。民法改正に伴って他の法律も自動的に改正されるとは限らないが、連動する可能性がある法律も少なくない。
「成人18歳」の是非を諮問、結論は1年後の見通し
(読売新聞2008年2月13日)
 民法が20歳と定めている成人年齢について、鳩山法相は13日午後、法制審議会(法相の諮問機関)に引き下げの是非について諮問した。
 明治時代の民法制定以来、110年以上変わらなかった成人年齢の引き下げについて、本格的な議論を始めるものだ。結論は1年後に出る見通し。
 諮問のきっかけとなったのは昨年5月に成立した憲法改正の手続きを定めた国民投票法だ。同法の付則が「2010年の施行までに公職選挙法、民法その他の法令について検討を加える」と規定したことを受け、政府は「年齢条項の見直しに関する検討委員会」を設置。昨年11月に計191本の関連法を関係省庁が検討する方針を決めた。
 法制審は民法学者だけでなく、社会学者、大企業・中小企業経営者、消費者団体、家庭裁判所、高校教師などの代表から幅広く委員を選任。委員は他の法律への影響などは考慮せず、「若年者の精神的成熟度と若年者の保護のあり方」の観点から成人年齢を18歳に引き下げることの是非を主に議論する。総務省は「民法の成人年齢が引き下がらない場合、公職選挙法だけが引き下がると、整合性に問題が生じる」としており、各省庁は法制審の議論を見ながら、引き下げの是非を検討する。
成人年齢:18歳成人の是非を法制審に諮問…法相
(毎日新聞2008年2月13日)
 鳩山邦夫法相は13日、「成人」の年齢20歳を引き下げる民法改正の是非について、法制審議会に諮問した。原則18歳以上を投票年齢と定めた国民投票法の付則で、民法などの年齢条文引き下げを2010年の施行までに検討すると規定しているため。しかし、法相は引き下げるべきかどうか方向性を示しておらず、異例の「白紙諮問」となった。
 満20歳の成人年齢は1898年の民法施行以降、変わっていないが、仮に18歳に引き下げると民法上、ローンなどの契約や親の同意なく結婚できる年齢などに影響し、「成年」の文言が含まれる他の法律条文(約700)も自動的に18歳に下がることになる。一方、飲酒喫煙や少年法、公選法など「20歳」と表記している条文は自動的に下がらないが、法律見直しの論議に発展する可能性はあり、審議会での論議はさまざまな分野に影響しそうだ。【坂本高志】
「18歳成人」難題抱え諮問・法相、民法改正で法制審に
(日本経済新聞2008年2月13日)
 鳩山邦夫法相は13日、法制審議会(法相の諮問機関)に、民法の成人年齢を20歳から18歳に引き下げる法改正の是非について諮問した。選挙権、商取引、結婚、飲酒・喫煙……。政治・経済から日常生活にまで影響を与える明治以来の社会通念の変更だけに、世論が割れる可能性もある。法制審は慎重に議論し、2009年をメドに結論を出す方針だ。
 成人年齢引き下げの検討は、昨年成立した国民投票法(憲法改正手続き法)が原則18歳以上に投票権を付与したことに伴う措置。20歳以上を成人とした民法の規定は法制定から110年以上も変わっていない。公職選挙法や少年法、未成年者喫煙禁止法など、民法の影響を受ける法律も多く、法体系の抜本見直しにつながる案件だ。
 民法では20歳以上の成人にローンなどの契約や養子縁組で親になる行為を認めている。未成年者は財産処分の際、親権者など「法定代理人」の同意がいるほか、男性18歳、女性16歳から可能となる結婚でも親の同意が必要。検討対象はかなり広い。
「18歳成年」を諮問へ民法改正是非で鳩山法相
(産経新聞2008年2月13日)
 民法で定める成人年齢を20歳から引き下げる是非について、鳩山邦夫法相は13日午後、法制審議会(法相の諮問機関)に諮問する。約1年をかけて議論し、一定の方向性を打ち出す方針。成人年齢は民法で定めた結婚や取引行為のほか、飲酒や喫煙にも影響する可能性があるだけに、賛否をめぐり白熱した議論が展開されそうだ。
 昨年5月に成立した憲法改正手続きのための国民投票法が、投票できる年齢を18歳からと定めたことに伴う諮問。同法の付則には、平成22年5月の施行日までに公職選挙法や民法などの規定について検討を加え、必要な措置を講ずるよう記載されている。
 現行の民法では、「年齢20歳をもって、成年とする」と規定。成人年齢の引き下げの是非について法制審で検討が始まるのは、民法で定めた成人年齢が変わった場合、ほかの法律などに与える影響が大きいためだ。
 国民投票法の成立を受けて、政府が設置した「年齢条項の見直しに関する検討委員会」が年齢条項がある法律、政令、府省例をリストアップしたところ、計308本が該当。その中には未成年の飲酒や喫煙を禁じた法律など、社会的な論議が巻き起こりそうなものも含まれ、各省庁は民法改正の行方を見守ったうえで、所管する法律などを検討するとみられる。
 海外では、韓国、ニュージーランド、タイは成人年齢を20歳としているが、英国、仏、独、米の多くの州は18歳を成人年齢としている。
「18歳で成人」法制審に諮問=是非問う異例の形に
(時事通信2008年2月13日)
 鳩山邦夫法相は13日、法制審議会(法相の諮問機関)総会で、民法の成人年齢を20歳から欧米並みの18歳に引き下げることの是非について諮問した。昨年5月に成立した国民投票法で、投票年齢が原則18歳以上と規定されたのを受けた措置。ただ、世論が二分される可能性があるため、方向性を示さない形の異例の諮問となった。法制審は約1年かけて結論を出す。
 法務省は審議の参考として、内閣府を通じて世論調査を行うことを検討している。法制審の審議によっては、成人年齢が20歳のままとなる可能性もある。
 国民投票法は付則で、2010年の施行までに、公職選挙法や民法など関連法の整備を行うよう求める一方、それまでは投票年齢は20歳以上としている。政府は関連法案の提出時期について、09年秋の臨時国会か10年の通常国会を念頭に検討する。
20歳?18歳?成人年齢で諮問
(NHK2008年2月13日)
 鳩山法務大臣は、民法を改正して、成人年齢を今の20歳から18歳に引き下げるべきかどうかを法制審議会に諮問しました。成人年齢の引き下げは、契約や結婚など幅広い分野に影響するだけに、法制審議会は1年近くかけて慎重に検討を進めることにしています。
 去年成立した、憲法改正の手続きを定める国民投票法は、投票権を原則として18歳以上としており、これに伴って法律の付則で、民法や公職選挙法などについて、法律を施行する再来年の5月までに検討を加え、必要な措置を講じるとしています。これを受けて鳩山法務大臣は13日に開かれた法制審議会の総会に出席し、「民法の定める成人年齢を引き下げるべきか否かについてご意見を承りたい」と述べ、民法を改正して、成人年齢を今の20歳から18歳に引き下げるべきかどうかを諮問しました。成人に満たない未成年者の契約には親権者の同意が必要で、未成年者の結婚には父母の同意が必要なほか、20歳未満の飲酒や喫煙が法律で禁止されているのは民法の規定を前提としており、成人年齢の引き下げは幅広い分野に影響します。このため、法制審議会は1年近くをかけて慎重に検討を進めることにしており、大人としての精神的な成熟度が何歳から備わっていると言えるのかや、未成年が受けられる法的な保護が何歳まで必要なのかなどが議論の焦点となる見通しです。

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NPO法人Rightsは、「未来を長く生きる若者は未来の決定により大きな責任を」との思いから、選挙権・被選挙権年齢の引き下げと政治教育の充実を2つの柱に、2000年から若者の政治参加をめざし活動してきました。

現在は、政治教育や若者政策の提言、政治家への働きかけに加え、自治体における若者参画プログラムの拡充、学生・若者団体への支援・助言などの活動を行っています。