“成人年齢引き下げ”具体的議論へ
(NHK2008年2月4日)
 自民党の憲法審議会は、憲法改正の手続きを定める国民投票法の付則で、成人年齢などを18歳に引き下げるよう法整備を図るとしているのを受けて、こうした引き下げをした場合に、関連する法令をどれだけ見直すのかなどについて、具体的な議論を始めることになりました。
 憲法改正の手続きを定める国民投票法では、投票できる年齢を原則として18歳以上としており、これにあわせて法律の付則で、民法や公職選挙法を改正して、成人年齢や選挙権を与える年齢なども18歳に引き下げるよう法整備を図ることが盛り込まれています。これについて自民党の憲法審議会は、衆参両院への設置が国民投票法で定められている憲法審査会が野党側の反対で発足できないなか、党独自に検討する必要があるとして、今週にも会合を開いて具体的な議論を始めることになりました。この中では、成人年齢などを20歳から18歳に引き下げた場合に、関連する300余りの法令のうち実際にどれだけを見直すのかや、見直し作業の進め方などを検討することにしています。
「18歳で成人」の是非検討、鳩山法相が法制審に諮問へ
(日本経済新聞2008年2月5日)
 鳩山邦夫法相は、民法で「20歳以上」となっている成人年齢を「18歳以上」に引き下げるべきかどうかの検討を13日の法制審議会に諮問する方針だ。2009年をめどに結論を出す。結婚、飲酒・喫煙など社会生活のみならず、さまざまな商取引のあり方にも影響する問題だけに賛否が分かれている。
 昨年5月に成立した国民投票法(憲法改正手続き法)が投票年齢を「原則18歳以上」と規定。付則で公職選挙法や民法などについて「(2010年5月の法施行までに)検討を加え、必要な措置を講じる」と明記していた。
「18歳は、まだ未熟」?揺れる「成人」引き下げ
(朝日新聞2008年2月7日)
 18歳以上に国民投票法の投票権が与えられるのに連動して、成人の年齢も18歳に引き下げる当初の想定が揺れている。鳩山法相は13日の法制審議会に、民法改正の是非を諮問する予定だが、法務省は一定の方向性を示さず「白紙」で臨む。「18歳は、まだ未熟だ」として成人年齢の引き下げを疑問視する声が背景にあり、法制審に中立的に諮問するのは異例だ。大人は「18歳」になるのか、それとも「20歳」のままか。議論が本格化する。
 成人年齢を18歳に引き下げる議論のきっかけは、議員立法で昨年成立した国民投票法だ。付則で、投票年齢にあわせて3年をめどに公職選挙法、民法などの関連法について「検討を加え、必要な法制上の措置を講ずる」と明記された。
 07年4月の衆院特別委員会でも、与党提案者の保岡興治・元法相は「民法上の判断能力と参政権の判断能力とは一であるべきだという前提。成人年齢と選挙年齢を合わせることでこそ、国民にしっかりと受け止められる」と述べた。
 「契約や結婚などで責任を持たせれば、若者の独立心を高められる」「経済活動も活発になる」。引き下げを求める意見は以前からあり、欧米など世界の成人年齢の潮流も18歳だ。
 一方で引き下げに対し、与党内でも異論が少なくない。「親の同意なく財産を取得する権利」「親の同意なく結婚する権利」など民法の規定について、引き下げによって問題が生じるという意見もある。
 こうした事情を背景に、法制審は政府の方向性を示した上での諮問が通例だが、「引き下げの可否を問う」とする中立的な立場で審議することになり、成人年齢が20歳から変わらない可能性も出てきた。
 ある法務省幹部は「国民投票の時点では一種のブームで引き下げが叫ばれたが、『若者の成熟度が昔より増したわけでもない』との疑問が出てきたのだろう」とみる。
 一方で、議論が多岐にわたるため、法務省は、通常は学識者が中心になる法制審の委員に高校教師や企業経営者など幅広い人材を選び、消費者団体からも話を聞く方針だ。審議の行方は、飲酒・喫煙を禁じる法律など多くの法律に影響するだけに、様々な議論が予想される。

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NPO法人Rightsは、「未来を長く生きる若者は未来の決定により大きな責任を」との思いから、選挙権・被選挙権年齢の引き下げと政治教育の充実を2つの柱に、2000年から若者の政治参加をめざし活動してきました。

現在は、政治教育や若者政策の提言、政治家への働きかけに加え、自治体における若者参画プログラムの拡充、学生・若者団体への支援・助言などの活動を行っています。