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   NPO法人Rightsメールマガジン 第6号 2007年11月10日
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目次
1.18歳成人・選挙権 2010年までに法案~選挙権年齢引き下げへの動き~
2.政治教育に対する考え方を議論~リテラシー養成型政治教育の充実にむけて~
3.英・労働党、女子高生を擁立 次期総選挙で
4.お詫び
1.18歳成人・選挙権 2010年までに法案~選挙権年齢引き下げへの動き~
 遅くとも2010年の通常国会に法案を提出する方向になった(下記参照)のを受けて、
Rightsは11月9日(金)に連絡調整を担当する内閣官房職員から説明を受けるととも
に対象となる308法令の検討を始めました。
 それらを総合すると308法令は(1)民法の「成年」に連動するもの(「成年」「成年者」
を規定する国税徴収法など、逆に「未成年者」を規定する公認会計士法など、法の
趣旨から成人との連動がふさわしいもの)、(2)公職選挙法の選挙権年齢に連動す
るもの(「選挙権を有する者」と規定する裁判員法など、法の趣旨から選挙権との連
動がふさわしいもの)、(3)民法や公選法と直接関係なく定められるもの(少年法、未
成年者喫煙禁止法、未成年者飲酒禁止法など)に分けられ、(1)と(2)で全体の約8
割を占めています。
 今後は法令を所管する官庁ごとに検討会などをつくって法令を分類しながら考え
を整理し、必要に応じて検討委員会(事務次官などで構成)と同幹事会(官房長など
で構成)でまとめていく方向です。公選法と国民投票法を所管する総務省と民法と
少年法を所管する法務省を中心に議論の行方を注視するとともに、国会や政党で
の議論を求めていくことが必要でしょう。
<成人年齢>引き下げ、09年秋にも法案 国民投票法で政府
(毎日新聞2007年11月2日)
 政府の「年齢条項の見直しに関する検討委員会」(委員長・二橋正弘官房副長官)
は1日、首相官邸で第2回会合を開き、憲法改正手続きを定めた国民投票法が投
票権者を18歳以上と規定したのに伴い、成人年齢を引き下げる民法改正案などの
関連法案を09年秋の臨時国会か10年の通常国会に提出する方針を決めた。
 会合では、法律191本、政令40本、府省令77本の計308本の法令が検討対
象になることを確認。二橋副長官は「法制上の措置について各省で対応方針を決定
できるよう、検討態勢を整えてほしい」と指示した。
 10年5月に施行される国民投票法には、選挙権や成人などの年齢を18歳に引き
下げるよう検討することが盛り込まれており、各府省の事務次官らを委員とする検討
委が作業を進めている。【中田卓二】
2.政治教育に対する考え方を議論~リテラシー養成型政治教育の充実にむけて~
 2010年の18歳選挙権実現が確実になるなかで、いよいよ政治教育の充実が迫られ
ます。そこでRightsは今後の活動の指針となる政治教育に対する考え方(案)を議論
しています。ぜひ多くの皆さんのご意見をお願いいたします。
政治教育に対するRightsの考え方(案)
なぜ政治教育の充実が必要なのか
 Rightsは、若者の社会参加およびそれを促す政治教育の充実が必要だと考えて
います。
 第1の理由は世代間格差の問題です。日本は急速な少子高齢社会・人口減少社会
に突入しており、累積する財政赤字や年金問題、地球環境問題など、将来的に若年
世代の大きな負担となるような問題が山積しています。少子高齢社会においては、
有権者に占める高齢者の割合が増加し、若年世代の政治への影響力が低下します。
加えて、若年世代の投票率は以前から低迷しており、影響力の低下に拍車がかか
っています。
 第2は民主主義の成熟化です。民主主義は制度さえ導入すれば自生的に育っていく
ものではありません。社会の構成員一人ひとりが、主体的に社会に参加することに
よって育っていくものです。民主主義をより良いものにしていくためには、次の世代を育
てていく必要があり、社会の責任であるといえます。
 以上から、持続可能な社会を構築するためにも、若年世代の政治や社会への興味
関心の喚起や、政治的リテラシーの養成が急務といえます。
政治教育の類型
 政治教育という言葉は多義的であり、いろいろなタイプが存在しますが、大きく分けて
体感型、知識中心型、リテラシー養成型に分類することができます。
 例えば、Rightsが今まで行ってきた「永田町ツアー」は、政治家と直接会話することや
国会・政党等を見学することを通じて、政治を身近に感じられるようにすることを目的と
しており、体感型に分類することが可能です。また、日本の学校教育の中で、国会
見学や裁判の傍聴といった社会科見学が行なわれてきましたが、これも体感型の
ひとつです。
 今まで日本の政治教育の中心は社会科、とりわけ公民科目でした。しかし、戦後の
日教組・文部省対立の影響もあり、現実の政治を教えることはイデオロギーに触れるから
いけないと考えられてきたため、公民科目は制度や知識の勉強が中心となりました。
 一方、2002年にイギリスで学校カリキュラムとして導入された「シティズンシップ教育」
の目的は、社会に参加するスキルや問題を解決する能力の養成にあり、後者のリテラ
シー養成型に分類可能です。スウェーデンの「民主主義教育」や生徒の自治活動など
も、リテラシー養成型に連なるものといえます。欧米ではリテラシー養成型が政治教育の
中心になっています。
Rightsが必要だと考える政治教育とは何か
 日本では若年世代の投票率が低迷していますが、これは体感型や知識中心型の政治
教育による影響が大きいと考えられます。抽象的な制度の理解や知識の吸収に終始
し、実際に直面している問題の認識やそれらを主体的に考える機会を保障してこな
かった社会の責任は重大です。Rightsは、若年世代が主体的に社会に参加し、問題
解決をはかっていくためには、単なる体感型や日本の学校教育で中心的に行なわれて
きた知識中心型の政治教育では不十分であり、自立的な市民を育てるリテラシー養成
型の政治教育が必要であると考えています。体感型・知識中心型政治教育について
も、リテラシー養成に資する形へと発展させる必要があります。
 世代間格差の克服と民主主義の成熟化によって持続可能な社会を構築するために
も、Rightsはリテラシー養成型の政治教育の普及を目指して、活動していきます。
3.英・労働党、女子高生を擁立 次期総選挙で
(朝日新聞2007年9月27日)
 英与党の労働党は、17歳の女子高校生を次の総選挙の候補者に決めた。英国
は昨年、若者に政治への関心を持ってもらうため、立候補できる年齢を21歳から
18歳に下げたばかり。英史上最年少の国会議員が誕生するのでは、と話題を呼
んでいる。
 候補となるのはエミリー・ベンさん。10月4日、18歳になる。今月24日の党大会
で、党首のブラウン首相に「誕生日が来るまで選挙は待って」と話し、拍手喝采を浴
びた。
 ただし、彼女は大物政治家の家系で、祖父は約50年間、同党の国会議員だった
トニー・ベン氏。叔父はヒラリー・ベン環境相。トニー氏の祖父、父ともに国会議員
で、エミリーさんが当選すれば、これも英史上初の5世代にわたる国会議員になると
いう。エミリーさんは「家柄だけで選ばれたわけではない。家族と政治の話をしてき
たし、官邸で政策がどう決まるか見てきた」と話す。
4.お詫び
 7~10月のメルマガが発行できなかったことをお詫びします。
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発行・編集 特定非営利活動法人Rights
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この記事の投稿者

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NPO法人Rightsは、「未来を長く生きる若者は未来の決定により大きな責任を」との思いから、選挙権・被選挙権年齢の引き下げと政治教育の充実を2つの柱に、2000年から若者の政治参加をめざし活動してきました。

現在は、政治教育や若者政策の提言、政治家への働きかけに加え、自治体における若者参画プログラムの拡充、学生・若者団体への支援・助言などの活動を行っています。